排卵検査薬を使う前に知っておきたい確率と計算
排卵日検査薬を使用して、排卵日を特定できる確率はあまり高いとは言えないのが現実です。排卵検査薬は、排卵日前日に急激に排卵を促すための黄体形成ホルモンが増えるLHサージを見つけるために使用しますが、人によって黄体形成ホルモンの量が違うため、簡単には排卵日を特定できないからです。
黄体形成ホルモンが、常に高めで検査薬にいつも反応が見られるため、検査薬を使い始めてすぐに反応してしまい正しい排卵日よりも早い時期になってしまったり、逆に黄体形成ホルモンのピークの量が低すぎるため、検査薬に反応できない場合、ピークの期間が短すぎるために、検査薬で反応のピークを見つけることができない場合などがあり、正しい知識を持って排卵日検査薬を使用しなければ、排卵を特定することができません。
また、検査薬は、次の生理予定日から計算して使用し始める時期を決めるため、なんらかの要因で排卵が遅れている場合なども、検査薬でピークを見つけることは難しくなります。自分のホルモン量でも正しく検知できる排卵日検査薬を使用し、排卵が近いと思われるときには、一日2本以上の排卵日検査薬を使い、ピークの時期を見逃さないようにすることが大事です。
排卵検査薬を使っても経過を観察しないといけない理由
排卵日検査薬は、尿の中に含まれる「LH=黄体ホルモン」を測定することによって、排卵の時期を推定する検査薬です。黄体ホルモンの濃度が上昇し始めた時より約40時間後で、値がピークとなった24時間後に排卵が起こるといわれています。これを踏まえて、基礎体温表と照らし合わせて排卵日を推定し、その少し前より検査をスタートさせます。確実に上昇の瞬間を捉えるためには1日に3回程検査をすると良いですが、難しいようであれば1日2回は最低行うようにしましょう。
しかし、黄体ホルモンの上昇を捉えたからとって、確実に排卵が起こっているとは限りません。それは、「多嚢胞性卵巣」である場合などでは、排卵日検査薬のLH検査が陽性となっても、排卵が起こらないということもあるからです。多嚢胞性卵巣とは、卵巣の表面が肥大して厚くなることで排卵が阻害されて行われず、これによって卵巣内に多数の卵胞が溜まってしまい、月経異常や不妊の原因になる症状です。そのため、排卵検査薬を使用しても妊娠が起こらない場合は、多嚢胞性卵巣の疑いもあるので、病院に行き原因をつきとめてもらうことが大切です。
病院では、エコーで直接卵胞の測定して成長具合を検査したり、子宮頸管の粘液の状態を調べたり、基礎体温から排卵日を測定するなどを行ってくれます。また、病院では排卵検査薬を使用した後の経過観察もきちんと行ってくれます。
排卵検査薬の結果と対応
排卵日検査薬は、排卵日に陽性になるのではなく、排卵日の直前に最も高い値の反応が出ます。排卵の直前に起こる黄体形成ホルモンの分泌をチェックしているためです。
一度使っただけでは、陽性か陰性か判断が難しい場合があるので、数日間に渡って検査し写真などに記録を残しておく必要があります。排卵日検査薬は、次回生理開始日の16日前から使用します。
これは平均的な女性の生理周期に基づいたものです。10時から20時までに、清潔な容器で尿を採ります。MAXと表記された線まで3秒間浸します。
乾燥した水平な場所に置いたら5分以内に検査結果が出ます。陽性の場合は、はっきりとした2本のラインが現れます。ラストラインがコントロールラインと同じ色だったり、それより濃い色だったりすれば、陽性です。
24時間から48時間の間に排卵の可能性があります。卵子の寿命は排卵から12時間から24時間と言われているこので、陽性反応が出て3日以内に性交渉を行うと、受精し妊娠する可能性が高くなります。また、陰性の場合はコントロールラインが1本出るだけで、ラストラインが表示されません。排卵はまだ先ということなので、排卵日検査薬の使用を続けます。